リバーシ初心者の攻略:角・X打ち・序盤の打ち方をCPU対戦の記録で確かめる
リバーシは「角を取れば勝てる」とよく言われます。この記事では、それがどこまで本当かを、Asobi LoungeのリバーシのCPUどうしを数千局打たせた記録で確かめながら、初心者が最初に覚えたい考え方を3つに絞って解説します。角とその隣のマス、序盤に石を取りすぎないこと、そして「打てる場所の数」です。
盤面図は手で描いたものではなく、このサイトのリバーシと同じルールの処理(打てるマスの判定と石の返し方)で、実際に手順を打って作っています。
盤の呼び方と、最初の4か所
盤は8×8の64マスです。マスは、横の列を左から a〜h、縦の段を上から 1〜8 として「f5」のように呼びます。このサイトの盤にも同じ文字が書いてあるので、記事の符号をそのまま画面で探せます。
先手は黒です。打てるのは、相手の石を縦・横・斜めのどれかで自分の石と挟めるマスだけで、挟んだ石はすべて自分の色に変わります。打てるマスがなければ自動でパスになり、両方とも打てなくなったら終わりです。そのとき石の多い方が勝ちます。
最初に打てる4か所は、盤を回したり裏返したりすると同じ形になります。どこに打っても損得はないので、この記事では棋譜でよく使われる f5 から始めます。
角は本当に強いのか:対局記録で確かめる
角の石は、二度と裏返りません。角をはさむには盤の外に石を置く必要があり、それはできないからです。角を取ると、そこから辺に沿って並べた石も裏返らない石(確定石)にしやすくなります。
では、角を多く取った側はどれくらい勝っているのでしょうか。このサイトのCPU(入門・初級・中級・上級の4段階)どうしを対局させ、終局の時点で角を多く持っていた側が勝った割合を数えました。角の石は裏返らないので、終局時の角の持ち主は、その角を取った人です。角の数が同じだった局と引き分けは除いています。
| 対局の組み合わせ | 局数 | 角の数に差があった局 | 角の多い側が勝った割合 |
|---|---|---|---|
| 入門どうし(ほぼでたらめに打つ) | 5,000 | 3,126 | 82.5% |
| 初級どうし | 2,000 | 1,805 | 94.3% |
| 中級どうし | 500 | 323 | 92.0% |
| 上級と中級 | 40 | 36 | 83.3% |
角が大事なのは数字でもはっきりしています。ただし100%ではありません。中級どうしでも、角の少ない側が勝った局が1割近くありました。上級と中級の40局では上級が38勝しましたが、角の多い側が勝った割合は83%にとどまります。強い側は、角を1つ渡しても、ほかの場所で打てるマスを確保して取り返しています。角は「取れるなら取る」場所であって、それだけで勝ちが決まるわけではない、というのが記録からわかることです。
X打ちとC打ち:角を渡す手
角の斜め隣を X、縦横の隣を C と呼びます。角が空いているうちにここへ打つと、相手が角を取れる形になりやすいので、初心者は「X と C には打たない」と教わります。
同じ対局記録で、角が空いているときに X へ打った場面を数えました。入門どうしでは16,451回あり、そのうち76.6%で、最後はその角が相手のものになっていました。初級どうしでは6,580回中88.4%、中級どうしでは1,693回中77.2%です。中級どうしでは、48%(819回)で相手が4手以内、つまり相手の番の2回目までにその角を取っています。
下の図は、初級(黒)と中級(白)のCPUの実際の対局です。29手目に黒が g7 へ打ちました。g7 は h8 の角の X です。白は次の手で h8 に打ち、下の辺と斜めの列の6枚を一度に返しました。
X が危ないのは、角と X と盤の中央が同じ斜めの列に並んでいるからです。X の石が自分の色のまま残っていても、その先の斜めに相手の石があれば、相手は角から挟めます。
C は X ほど単純ではありません。C の石は辺の上にあるので、相手が角を取れるのは、その辺の並び方が相手に挟める形になったときです。辺を取り合う中盤では、あえて C に打つ手もあります。初心者のうちは「X は角が空いている限り打たない。C は、打つ前にその辺を相手が挟めないか確かめる」と覚えておけば十分です。
序盤:石を取りすぎず、打てる場所を残す
リバーシは最後に石の多い方が勝ちますが、序盤に石を多く取っても有利にはなりません。中級どうしの500局で、20手目の時点の石の数と勝敗を比べると、石が少ない側が勝った割合は57.5%(石の数が同じだった局と引き分けを除く395局)でした。同じ時点で「次に打てる場所」が多い側の勝率は56.2%で、30手目で比べると63.4%に上がります。初級どうしの1,000局でも、20手目でそれぞれ55.2%と53.7%と、向きは同じでした。
差は大きくありませんが、少なくとも「序盤にたくさん取った方が勝つ」という傾向は見られません。石を多く取ると、盤の外側に自分の石が広がります。空きマスに接した自分の石は、相手にとって挟む足場になるので、相手の打てる場所が増え、自分の打てる場所は減っていきます。打てる場所がなくなると、X や C のような打ちたくないマスに打たされます。
f5 に対する白の3つの応手
黒が f5 に打ったあと、白が打てるのは d6・f6・f4 の3か所です。それぞれ「縦取り」「斜め取り」「並び取り」と呼ばれます。下の図の点は、そのあと黒が打てる場所です。
どれが一番よいのかを確かめるため、それぞれの局面から中級どうしで300局ずつ打たせました。中級は序盤の数手に少しばらつきを入れて打つので、毎回違う対局になります。黒の勝率は縦取り52.7%、斜め取り47.0%、並び取り48.7%でした。300局では結果が上下に6ポイントほどぶれるので、この差は誤差の範囲です。3つとも実戦でよく打たれる手で、どれを選んでも序盤で大きく不利になることはありません。
応手ごとに先の手順を覚えたものが定石です。たとえば縦取りから f5 d6 c3 d3 c4 と進む形は「虎(とら)」と呼ばれ、よく知られています。定石は数が多いので、最初は名前を覚えるより、上の「1手ごとに確かめること」を守る方が役に立ちます。
終盤:残りマスの数と読み切り
終盤に入ると、空きマスはいくつかのかたまりに分かれます。かたまりの中の空きが奇数なら、そこに先に打った側が最後の1マスも打てることが多く、偶数なら後から打った側が最後を打てます。最後に打った石は裏返されないので、空きの数が奇数のかたまりに先に打ち、偶数のかたまりは相手に先に打たせる、というのが「偶数理論」と呼ばれる考え方です。パスが起きると順番がずれるので、いつでも成り立つわけではありません。
残りが10マスほどになると、打てる手の組み合わせは数えられる程度に減ります。このサイトの中級は残り10マスから、上級は残り14マス以上から、最後まで全部の手順を読み切って打ちます。終盤でCPUに逆転される場合は、そのあたりで読み負けています。
このサイトでの練習の進め方
リバーシのページの「CPU対戦」は、ログインしなくても遊べます。強さを選ぶ画面で、自分の石を黒(先手)か白(後手)かも選べます。

4つの強さの差は、CPUどうしの対局でもはっきり出ます。先手と後手を入れ替えながら打たせた結果です。
| 組み合わせ | 局数 | 強い側 | 弱い側 | 引き分け |
|---|---|---|---|---|
| 初級 対 入門 | 400 | 354勝 | 30勝 | 16 |
| 中級 対 初級 | 400 | 392勝 | 6勝 | 2 |
| 上級 対 中級 | 40 | 38勝 | 2勝 | 0 |
ルールを覚えたばかりなら入門から始め、角をきちんと取れるようになったら初級へ進みます。初級は角を好みますが、2手先までしか読まないので、X に打たせる形を作る練習相手に向いています。中級からは打てる場所の数や確定石まで考えるので、序盤に石を取りすぎるとすぐに苦しくなります。

対局中は、上の「待った」で自分の直前の番まで戻れます。X に打って角を取られたら、戻って別の手を探してみてください。「ヒント」は1局に3回まで使え、上級と同じ読みで選んだ手を金色の丸で示します。右の欄に出る「打てる場所」の数を見ながら打つと、序盤の考え方が身につきやすくなります。
1台の端末で交代に打つ「ふたりで対戦」もあります。オンラインのランダムマッチとルーム対戦には、Googleアカウントでのログインが必要です。フレンドを招待して遊ぶ場合は、相手もアカウントを作成し、フレンド登録が必要です。
よくある疑問
先手と後手は、どちらが有利ですか
このサイトの中級どうしの500局では、黒(先手)の勝ちが47.6%、白(後手)の勝ちが50.0%、引き分けが2.4%でした。入門どうしの5,000局では黒45.0%、白50.6%です。どちらも大きな差ではありません。2023年には、8×8の盤で双方が最善を尽くすと引き分けになることを計算で示した論文(Hiroki Takizawa「Othello is Solved」)も発表されています。
打てる場所がないときは、どうなりますか
自動でパスになり、相手の番になります。相手も打てなければ、その時点で終局です。盤が埋まる前に終わることもあります。
リバーシは、Asobi Loungeで無料で遊べます。CPU対戦やひとりで遊ぶモードはログインなしで遊べ、オンライン対戦にはGoogleアカウントでのログインが必要です。
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