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将棋の上達法:駒の動き・詰みの形・囲いから、AI対戦と棋譜の振り返りまで

将棋を覚えたけれど勝てない、何から練習すればよいか分からない。そんなときは、覚える順番を決めると迷いが減ります。 この記事では、駒の動き、詰みの形、囲い、実戦と振り返り、の4つの段階に分けて、それぞれ何を身につければよいかを説明します。

盤面図は、Asobi Loungeの将棋が実際に使っているルールの判定で作り、詰みや王手になっていることを確かめています。 後半では、サイトのAI(5段階)どうしを対局させた結果をもとに、練習相手の選び方も紹介します。

上達の順番

将棋は、相手の玉を詰ませたほうが勝つゲームです。序盤でどれだけ有利になっても、最後に詰ませられなければ勝てません。 逆に、詰ませ方を知っていれば、途中で多少損をしていても逆転できます。そこで、次の順番で練習するのがおすすめです。

  1. 駒の動きと成り:考えなくても動かせるまで覚える
  2. 詰みの形と王手の受け方:勝ち方と負けない方法を、形で覚える
  3. 囲いを1つ:玉を守る陣形を1つだけ、手順ごと覚える
  4. 実戦と振り返り:AIと対局し、負けた対局の悪かった1手を探す

盤の小さい5五将棋から始める方法もあります(5五将棋のルールと攻略)。駒の動きと詰みの感覚は、そのまま本将棋で使えます。

段階1:駒の動きと成りを覚える

将棋の駒は8種類、1人20枚です。相手の陣地(相手側の3段)に入るとき、そこから出るとき、そこで動くときに「成る」ことができ、 成ると裏返って動きが変わります。金将と玉将は成れません。

駒の動きと、成ったときの動き
駒動き成ると
玉将(王将)周りの8マスに1マス成れない
飛車縦と横にどこまでも龍:飛車の動き+斜めに1マス
角行斜めにどこまでも馬:角の動き+縦横に1マス
金将前・斜め前・横・真後ろの6マス(斜め後ろには行けない)成れない
銀将前・斜め前・斜め後ろの5マス成銀:金将と同じ
桂馬2つ前の段の、左右1つ隣のマス(間の駒を飛び越える)成桂:金将と同じ
香車前にどこまでも成香:金将と同じ
歩兵前に1マスと金:金将と同じ

覚えるときの近道は、金将の動きを最初に覚えることです。成銀・成桂・成香・と金の4つは、どれも金将と同じ動きになります。 下の図は、盤の真ん中(5五)に駒を1枚だけ置いたとき、ルールの判定が返す行き先に点を付けたものです。

5五に置いた金将の行き先。全部で6マス金76543三四五六七
金将:6マス
5五に置いた銀将の行き先。全部で5マス銀76543三四五六七
銀将:5マス
5五に置いた桂馬の行き先。全部で2マス桂76543三四五六七
桂馬:2マス
5五に置いた龍(成った飛車)の行き先。全部で20マス龍76543三四五六七
龍(成った飛車):20マス(縦横は盤の端まで続く)

銀将は斜め後ろに下がれるのに横には動けず、金将はその逆です。この違いが、攻めには銀、守りには金と言われる理由の1つです。 桂馬は、前に駒があっても飛び越えられる唯一の駒ですが、後ろには戻れません。

段階2:詰みの形と王手の受け方

いちばん基本の詰み「頭金」

相手の玉の真上(頭)に金を打つ形を「頭金」と呼びます。下の図では、後手の玉が5一にいて、先手の歩が5三にあります。 先手が持ち駒の金を5二に打つと、金は玉の逃げ道(4一・6一・4二・6二)をすべて押さえ、5三の歩が金を支えているので玉は金を取れません。 ルールの判定でも詰みになります。

後手玉が5一、先手の歩が5三。先手は金を1枚持っている王歩76543一二三四
先手の持ち駒:金。5二に打つと?
先手が5二に金を打った局面。後手玉は詰み王金歩76543一二三四
▲5二金打で詰み(頭金)。

5三の歩がなければ、後手は△同玉と金を取れます。詰ませる駒には「支え」が必要だ、というのが頭金から学べるいちばん大事なことです。 詰将棋は1手詰めから始め、こうした形を見た瞬間に分かるまで繰り返すと、実戦で詰みを見逃さなくなります。

王手をかけられたら、3種類の受けをすべて見る

王手への受け方は、玉が逃げる、王手をかけている駒を取る、間に駒を置く(合駒)、の3種類しかありません。 下の図は、後手の飛車が5二から先手の玉(5八)に王手をかけている局面です。先手は角と金を盤に置き、歩を1枚持っています。

後手の5二の飛車が先手の5八の玉に王手。先手の受けは、逃げる5通り、取る1通り、合駒6通り王飛角玉金合合合合合987654321一二三四五六七八九
点:玉が逃げられるマス(5通り)。紺の丸:角で飛車を取る(1通り)。「合」:合駒を置けるマス。

ルールの判定で先手の指せる手を数えると、玉が逃げる手が5通り、角で飛車を取る手が1通り(成ることもできます)、 合駒が6通り(持ち駒の歩を5三〜5七に打つ5通りと、角を5六に移す1通り)でした。 この局面なら、角で飛車を取るのが一番です。慌てて玉を逃がすと、飛車を取る機会を逃します。 王手をかけられたら、取れないか、合駒で得をしないか、逃げ道はどこか、の順に3つとも確かめる癖をつけましょう。

段階3:囲いを1つ覚える

囲いは、玉を金銀で守る陣形です。玉を初めの位置(5九)に置いたまま戦うと、攻め合いになったときに先に詰まされやすくなります。 囲いはたくさんありますが、最初は1つで十分です。飛車を左に動かして戦う「振り飛車」なら美濃囲い、飛車を動かさない「居飛車」なら矢倉が代表的です。

本美濃囲い。先手の玉が2八、銀が3八、金が4九と5八。飛車は6八歩歩角歩歩歩歩歩飛金銀玉香桂銀金桂香987654321七八九
美濃囲い(玉2八・銀3八・金4九・金5八)。飛車は6八(四間飛車)。
金矢倉。先手の玉が8八、銀が7七、金が7八と6七歩歩銀金歩歩歩歩歩玉金角飛香桂銀桂香987654321七八九
矢倉(玉8八・銀7七・金7八・金6七)。

上の2つの図は、はじめの局面から1手ずつルールの判定で確かめながら指して作りました(下の3段だけを表示しています)。手順は次のとおりです。

美濃囲い(四間飛車)
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲6八飛 △8五歩 ▲7七角 △6二銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3二玉 ▲2八玉 △5四歩 ▲3八銀 △1四歩 ▲5八金左
矢倉
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲7七銀 △4二銀 ▲7八金 △3二金 ▲6九玉 △4一玉 ▲5八金 △5二金 ▲6七金 △5四歩 ▲7九角 △3三銀 ▲6八角 △3一角 ▲7九玉 △7四歩 ▲8八玉

美濃囲いは、玉を飛車と反対側の2八まで運び、銀と金2枚で横から包む形です。手数が少なく、横からの攻めに強いのが特徴で、 弱点は端(1筋)や玉の真上からの攻めです。矢倉は、金銀3枚を玉の上に積み上げる形で、正面からの攻めに強い反面、組み上げるまでの手数が多く、途中で攻められると崩れやすくなります。 上の手順でも、先手の手数は美濃囲いが9手、矢倉が12手でした。

どちらを選ぶ場合も、手順を丸ごと覚え、相手が何をしてきても同じ形を目指す練習から始めます。 相手の角が自分の玉や飛車をにらむ筋(たとえば美濃囲いの手順で▲6六歩を突くのは、角の交換を避けるためです)に気を付けるだけで、組んでいる途中に崩される失敗はかなり減ります。

段階4:AI対戦で実戦を重ねる

Asobi Loungeの将棋は、AI対戦ならログインせずにすぐ遊べます。AIはいつも後手で、あなたが先手です。 段位戦(持ち時間10分)・カジュアル・ルーム対戦はオンライン対戦なので、Googleアカウントでのログインが必要です。 友達を招待して遊ぶには、相手もアカウントを作成し、フレンド登録が必要です。

AIの5段階の設定(このサイトのAIの作りから)
強さ読みの深さ駒の取り合いの延長1手の時間の上限
Lv.1 入門2手先なし2秒
Lv.2 初級3手先あり2秒
Lv.3 中級4手先あり2秒
Lv.4 上級6手先(読んだ局面を記憶して使い回す)あり4秒
Lv.5 エキスパート時間内でできるだけ深くあり6秒
将棋のAI対戦(Lv.2)の画面。先手が美濃囲いを組み終えたところで、右側に評価値のバーと形勢グラフ、棋譜が表示されている
AI対戦(Lv.2)で美濃囲いを組んだところ(ログインしていない状態の画面)。右上が評価値と形勢グラフ。

対局画面では、次の機能が使えます。

  • 評価値と形勢グラフ:AIが局面を読んで、先手から見た点数(歩1枚を100点とする)を出します。200点未満は「互角」、500点未満は「やや有利」と表示され、グラフで流れを追えます。表示は「評価値 ON/OFF」で切り替えられます。
  • ヒント(1局に3回):Lv.3と同じ読みで、おすすめの1手を盤の上に矢印で示します。
  • 待った:直前のAIの手と自分の手をまとめて戻し、自分の手番からやり直せます。
  • 入玉宣言:玉が相手の陣地に入り、陣地内に玉以外の自分の駒が10枚以上あり、陣地内の駒と持ち駒を飛車角5点・ほか1点で数えて24点以上、王手されていない、の条件がそろうとボタンが出ます。

評価値は、対局中に見すぎると自分で考えなくなります。最初は形勢グラフを隠して指し、対局が終わってから流れを確かめる、という使い方もおすすめです。

負けた対局を振り返る(棋譜研究)

対局が終わると、棋譜は自動でこのブラウザに保存されます(最大15局)。メニューの「棋譜研究」から開くと、1手ずつ進めたり戻したり、自動で再生したりできます。 「KIF形式でコピー」を押せば、ほかの将棋ソフトで読める形式で棋譜を書き出せます。

棋譜研究の画面。評価値を解析した後の形勢グラフに赤い点が付き、評価が大きく下がった23手目の局面を表示している
CPUどうしの対局(先手Lv.1、後手Lv.2)の棋譜を読み込んで「評価値を解析」を押した例。赤い点を押すとその局面に移ります。

「評価値を解析」を押すと、すべての局面の評価値をLv.2の読みで計算してグラフにします。指した側から見て評価が350点を超えて下がった手には赤い点が付き、悪手の候補として示されます。 上の例では、最初の赤い点は23手目の▲9七香で、評価値は-639(後手有利)まで下がっていました。 負けた対局では、まず最初の赤い点の局面を開き、その1手の代わりに何を指せばよかったかを考えてみてください。1局で直すのは1か所だけ、と決めると、振り返りが長続きします。

AIどうしを60局対局させた結果

練習相手の目安にするため、サイトのAIと同じプログラムをパソコン上で動かし、強さの違うAIどうしを、先手と後手を1局ごとに入れ替えて対局させました(2026年10月、合計60局)。 時間の上限で読みを打ち切るAIなので、同時に複数の対局を動かした今回の測定では、ふだんの画面よりやや浅く読んでいる可能性があります。

AIどうしの対局結果(手数は両者の指し手の合計)
組み合わせ対局数結果平均手数
Lv.1 対 Lv.220局Lv.2の20勝73.8手
Lv.2 対 Lv.320局9勝9敗2引き分け(千日手)99.5手
Lv.3 対 Lv.410局Lv.4の8勝2敗112.1手
Lv.4 対 Lv.510局Lv.5の6勝4敗101.7手
  • Lv.1とLv.2の差は大きい。Lv.1は駒の取り合いを最後まで読まない設定で、Lv.2に20局すべてで負けました。駒の動きを覚えたら、まずLv.1に勝てることを目標にしましょう。
  • Lv.2とLv.3は、この測定では互角でした。Lv.3は4手先まで読む設定ですが、中盤の10局面で時間を計ると、すべての局面で2秒の上限に達していました。読み切れなかったときは3手先までの結果で指す作りなので、パソコンの速さによってはLv.2に近い強さになります。
  • Lv.4ははっきり強い。Lv.3に8勝2敗でした。Lv.2に勝ち越せるようになったら、Lv.4に挑戦してみる価値があります。
  • Lv.4とLv.5の差は小さい。10局でLv.5の6勝4敗でした。Lv.5は1手に使う時間が長いぶん、待ち時間も長くなります。
  • 先手と後手の差は出なかった。60局全体では先手29勝・後手29勝・引き分け2でした。

もう1つ、手数にも傾向が出ました。強いAIどうしほど対局は長くなり、Lv.3対Lv.4では平均112手でした。 取った駒を打てる将棋では、駒得をしても相手に持ち駒が残っている限り反撃があるので、詰ませ切るまでに手数がかかります。

持ち駒のある将棋ができるまで

将棋の祖先は、古代インドの盤上遊戯チャトランガだと考えられています。チェスや中国のシャンチーも同じ流れをくむゲームです。 日本では、奈良の興福寺の旧境内から、天喜6年(1058年)と書かれた木簡と一緒に将棋の駒が見つかっていて、平安時代にはすでに遊ばれていたことが分かります。

取った駒を自分の駒として打てる「持ち駒」のルールがいつ生まれたのかは、はっきり分かっていません。 ただ、このルールこそが、チェスなどの仲間と将棋を分ける最大の特徴です。駒が盤から減らないので、終盤になっても攻めの材料が尽きず、最後まで逆転があります。 段階2で詰みの形を早くから覚えることをすすめたのは、このためです。

江戸時代には幕府が将棋の家元を保護し、初代名人には大橋宗桂がなりました。昭和に入ると実力で名人を決める制度に変わり、1937年に木村義雄が最初の実力制名人になっています。 2017年には、コンピュータ将棋ソフトのPonanzaが佐藤天彦名人に2連勝しました。いまでは、AIの評価値を使って自分の対局を振り返ることは、アマチュアにとっても身近な練習方法です。

将棋は、Asobi Loungeで無料で遊べます。CPU対戦やひとりで遊ぶモードはログインなしで遊べ、オンライン対戦にはGoogleアカウントでのログインが必要です。

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